☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~
わたしの胸の中で、利栄子への憎しみがふつふつと煮えたぎる。


わたしを裏切って、みんなに赤ちゃんを中絶したことを言いふらして、クラス中でいじめて、赤ちゃんにまでひどいことをして、あげくの果てに、かっちゃんをわたしから奪った最低な女・・・。



「美里、あのときはごめんなさい。」


利栄子の口から、わびる言葉が出てきた。


「本当にごめんなさい・・・。」


「今さら謝って、何になるの?この裏切り者!」


わたしは冷たく言い放った。


わたしの腕をつかむ利栄子の手が弱まり、その拍子に、わたしは彼女の手を振り切った。


「かっちゃんと付き合ってるんでしょ?二人で歩いてるとこ、見たから知ってるよ。

よかったね。わたしを学校から追い出して、かっちゃんと付き合えるようになって。」


わたしは皮肉を込めて言った。


「克之くんは・・・、わたしじゃなくて、美里が好きだったんだよ・・・。」


利栄子はぽつりと言った。


「でも今は、利栄子と付き合ってるじゃない。」


わたしは突っぱねるように言った。


「それにあのとき・・・、二人でキスしてたくせに。」



「克之くんは・・・、わたしのことなんか、見てくれなかった・・・。克之くんが見てたのは、いつも美里だけだった。ずっとわたしの片想いだった・・・。

あのときのキスは、わたしから強引にしたの。克之くんは、美里との仲が壊れたのは、わたしのせいだって言って、ものすごい怒って・・・。」


「でもそれじゃ、つじつまが合わないじゃない。

かっちゃんがわたしとのことで、利栄子に怒ったなら、何でそのあと、かっちゃんと利栄子が付き合ってるわけ?」


「それは、わたしがみじめだったから・・・。」


利栄子は、うつむいた。


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