HERO
「そうだあなた名前は?梓じゃ、ないのよね?」
「僕の名前は、AIZOTOY0012X2です」
「それ名前?長くて覚えられない」
「正式には製造番号です」
「そう」
「梓とは誰?ですか」
「梓?梓って言うのは、私の幼なじみ。あなたにそっくりなの」
「僕に?」
「うん。すごく似てる。似てるって言うより、そのもの」
「僕は梓じゃ―」
「うん。わかってる」
行く宛てもないまま歩いていると、またあの公園にたどり着いてしまい、同じベンチに「ただいま」と告げ腰を下ろす。