HERO


「もう、意味わかんない…」


口を尖らせ目的の場所を探すように辺りを見回していると、くいっと手を掴まれた。


「何!?」


「タイムマシンを探します」


「どうしてそれ…」


「中止しますか?」


「いや、探すけど…」



驚いた。

この時代のロボットは人間の考えていることまで読み取ることができるのか。


「ダウンロードって、私の考えていることを、ダウンロードしたの?」


梓はコクリと頷き、私から手を離すと、その手の平を見つめる。
覗きこむと、そこはライトが照らされたように光り、地図らしきものが表示されている。



「目的地まで、徒歩で12分、車で5分、どうしますか?」


「歩くよ。車なんてないもん」








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