Together~キミと一緒に~

何が起きたのかイマイチつかめていない私に、裕樹が説明してくれた。

「今の音はバットに当たったけど、カスっただけでストライクってわけな。」


ということは、三振?

口をポッカリと開けたままの私に「バカ顔やめたら?」って言って出ていく裕樹。



今、バカ顔って言った!?

そう思っていると、グラウンドに両チームのあいさつをする声が聞こえてきた。



「「あっしたーっ!」」


グラウンドに響き渡るみんなの声を聴いて、スタンドでも大きな拍手と歓声が巻き起こる。

スタンドで応援をしてくれていたみんなにあいさつをし終えたみんなが帰ってきた。


「真里亜!」

「あ、仁!」


「勝てたぜ!甲子園、行けるってことだぜ!?」


「そうだね、すごいよ!頑張ろうね!」

「はいはい、お二人さん変える支度して。」


尾崎先輩が肩を押さえたまま私と仁の間に割り込んできた。

「あ、すみません。」


肩、痛むのかな。

今日尾崎先輩が投げたのは134球。


甲子園までに何とかできるのかな。

あまり時間がない中で病院に通うのか、それとも・・・いや、そんなことないかな。


まさか、ピッチャーをしないなんてことないよね。

せっかくここまで来たんだから。


帰る支度が整って、みんながバスに乗り込む。


全員が乗り込めたことを確認して、バスは球場を後にした。

バスに揺られている間に、今日の試合のことを振り返った。


でも、途中で段々とみんなの声がしなくなってきたなぁと思って振り返ってみるとみんな寝ちゃってた。

そうなりますよね。


みなさん今日は頑張りましたもんね。

仁の方を見ると隣には尾崎先輩がいた。


二人とも肩を合わせて寝ちゃってるし。


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