Together~キミと一緒に~

「お、ねえちゃん・・・」
「なんで勝手に使うの!」

「おい、今の音は」

「なんで人のもの勝手に使うの!」

「ご、ごめんなさいっ」


「真里亜、真咲、どうしたんだ」


パパが私と真咲の間に立つ。

「最低ね!」

「真里亜!」


パパが私の名前を呼ぶ。

でも、今はパパの目を見れない。



私は真咲を突き飛ばして違うサンダルを履いて外へ出た。

「真里亜!どこに行くんだ!」

「ショッピングよ!」



サンダルだからそう速くは走れなかったけど、何とか待ち合わせ場所に着けた。

そこにはすでに一斗の姿があった。



「待たせてごめんね!」

「あ、おう。いいよ、そんなに待ってないし。」

そういう一斗だけど、全然私と目を合わせてくれない。


やっぱり、怒ってる?


「ごめんね、朝いろいろあって・・・」
「いや、俺怒ってないから。気にすんなよ。」

「でも、全然目合わせてくれない・・・」


その時、一斗が「あぁ」と言ってそっぽを向いてしまった。

やっぱり、怒ってる。


そう思った直後、一斗が頭をかきながらつぶやいた言葉が聞こえてきた。


「真里亜が、そんなに可愛い服着てくるから、直視できないだけっつぅか・・・」


「え?」

「まぁ、ほら行くぞ!」


キュッと私の手を握って歩きはじめる一斗。

私はその一斗の背中に話しかけた。


「一斗、照れてるの?」

「照れてねーよっ!」


< 19 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop