火星人門田さん


「夏になると蚊が出てくるようなもんでごわすな。

梅雨時には、知らない間痒い痒いと思ったらインキンタムシになってるようなもんでごわすな。

息子よなかなか良い事を言うね。」




「お父ちゃんインキンタムシって虫なの?」




「汗ばんだ所に出来るやつだよ。主に股間に……」




「そんなの説明しなくていいよ。」




門田さん親子は、僕をからかって楽しんでいたが、少しずつだが運動が出来るようになって来ていた。




怪我の後遺症が残る左足首には、負担を掛けないようにサポーターをしていたが特に痛みなどは、なかった。




日が経つに連れ体重も少しずつ落ちて来ていた。




美香は、ほぼ毎日顔を出していたのが、仕事と準備で忙しいらしく三日に一度くらいしか顔を出せなくなっていた。



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