雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 街の中をしきりに眺めているので、指摘する。


「街の中じゃない。外だ」


 ユイが顔を上げたと同時に、ラフルールの南東にある、こんもりとした森から、天に向かって青白い光が放たれた。


「今の何?」


 興奮して尋ねるユイに、ロイドは笑って答える。


「運がよかったな。朝話した遺跡だ。時々ああやって光を放つ。昼間に光る事もあるが、夜の方がわかりやすいな。ちなみに今のは、オレが拾われた遺跡だ」

「え? そうなの? また光らないかな」


 ユイはまだ興奮冷めやらぬ様子で、目を輝かせたまま、再び遺跡の方角を見つめる。
 子供のようにわくわくしている様子がおかしくて、ロイドは声を上げて笑った。

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