雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「いう事を聞くようになったと思って油断した」(3)

 ふと、ユイが言っていたケータイを思い出した。


「どうしたんだ? これ」

「昨日、ベイシュヴェルの遺跡で拾った。どう見ても古代のものじゃないし、おまえなら何か分かるかと思って持って帰ったんだ」

「オレもこんなものは初めて見た。何か知ってるかもしれない奴が王宮にいるから、借りていいか?」

「やるよ。オレには必要ない」


 ブラーヌは、さも興味なさそうに手を振った。

 ロイドは謎の機械をポケットにしまい、自分の用件を伝えるために、ポータブルコンピュータを取りに行った。

 戻ってくるとブラーヌが、再びリュックサックから探り出したものを差し出した。


「なんだ、その芽が伸びたタマネギと、いつのものか分からない怪しいブロックベーコンは」

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