雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 ロイドがそう言うと、女はなぜかムッとした表情で、間髪入れずに拒否する。


「無理よ! 王子様って男でしょ? 私は女なのよ」
「確かにそのようだな……」


 ロイドは彼女の胸の辺りに目をやった。
 薄っぺらい胸は、寝ていた時よりは多少盛り上がりを見せているようだが——。


「体型的には大して問題ないと思うが……」


 つい手を伸ばして、指先で凹凸を確かめる。
 すると女は、胸を押さえて、わめきながら殴りかかってきた。


「触らないでよ、エロ学者!」


 動きが遅いので簡単によけられたが、危ないところだった。
 表面を撫でただけだ。触った内には入らない。
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