雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 途端に現実に引き戻されて、自然に口調が暗くなる。


「別に……。そいつを直した後、ぼんやり考えてた」
「何を?」
「どうして一日は、二十四時間しかないんだろうと」
「は?」


 ユイは訝しげに眉をひそめる。
 ロイドは少し俯いて、ローザンの調査結果や時間がない事を話した。

 話している内に不安や焦りが再び湧き出して、ロイドは俯いたまま額に手を当てた。


「考えなきゃならない事や、やらなきゃならない事が山積しているのに、何から手をつけたらいいのか、頭が働かない」


 少しの間黙っていたユイが、明るい声で話しかけてきた。


「じゃあ、頭が働くように甘いもの食べる? 明日、さっきのお礼も兼ねてケーキを作ってあげる。何がいい?」

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