雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 転送間際、見つめる瞳が涙で濡れていた。
 また泣いているんじゃないだろうか。

 それとも案外立ち直りの早い奴だから、自分の事などすっかり思い出にしてしまって、ケロリとしているかもしれない。


「だとしたら、ちょっと不愉快だな」


 ロイドの事を頑固者呼ばわりしていたが、ロイドに言わせれば、ユイも充分頑固者だ。
 なにしろ、最初からちっとも言う事を聞かなかった。

 おまけにそれが、予想外の反応となって返ってくる。
 ユイのそういうおもしろさに、最初は興味を引かれた。

 そしてなにより、あの唇に魅せられた。

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