雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「それでいい」(4)


「できるわけないじゃない! 好きなんだもの! あなたはできるの? 言われたからって気持ちを変えられるの? 私に好かれて困るんなら、優しくしないでよ! 抱きしめないでよ! キスなんかしないでよ!」


 気持ちを変えられるわけなどない。

 ユイが愛しくてたまらないのに、抱きしめずにいられるか!
 口づけないでいられるか!

 憤る気持ちのまま、ロイドはメガネを外しながら、片腕でユイを強引に抱き寄せた。


「そんなの、オレの勝手だ」


 荒々しく口づけると、ユイは即座にロイドを突き飛ばした。


「バカ! 大嫌い!」


 泣きそうに顔を歪めたユイの叫びに、頭が真っ白になり、一瞬動きが止まる。
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