雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「覚悟ができたのか? こんな時間にオレの部屋に来るとは」(2)

 このところ王宮内に引きこもっている、ロイドの耳に届いていないだけかもしれないが、噂話になるほどの騒ぎは起こっていないようだ。

 街から通っているローザンやパルメに、訊いてみる事を進言した。

 そして遺跡について。

 ユイはよほど遺跡に興味があるようだ。
 謎の機械装置にカウンタが付いているのか訊かれた。

 そんなものは付いていない。
 カウンタどころか、操作パネルも何もないので、起動や停止の仕方も分からないのだ。

 ユイは遺跡の活動期が早まったのが、腑に落ちないらしい。
 過去にも周期が狂った事があるのか尋ねた。
 それはロイドも気になったので、ブラーヌに尋ねたところ、一度もないという。

 前回の活動期はロイドが拾われた二十七年前なので、今回は三年早まった事になる。

 そんな事を考えていると、ユイが突然、思い出したように問いかけた。

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