雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「確固たる決意を持って臨んでもらいたい」(2)

 突然ユイが名案を思い付いたように目を輝かせた。


「ねぇ。みんなで遺跡が派手に光るところを見物しない? 夜は明日が最後だし。王子様やローザンやブラーヌさんや、みんなで」


 楽しそうな名案だが、ロイドとしてはあまりおもしろくない。


「みんなで?」


 つい不満げな声を漏らすと、ロイドはユイを両手で抱き寄せた。


「二人でいいだろう? 殿下はともかく、ローザンは仕事でもないのに真夜中に呼び出したら気の毒だ」


 残り二日間、出来るだけユイと二人きりで過ごしたい。
 それが本音だった。

 それを見透かしたように、ユイはイタズラっぽい目を向ける。

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