雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「確固たる決意を持って臨んでもらいたい」(3)

 これ以上煽られてはたまらない。
 さっさと寝てもらう事にする。

 ロイドはグラスに、ユイが気に入った果実酒を注いで、リビングに戻った。


「こいつを飲め」


 グラスを差し出すと、ユイは中をチラリと覗き、不機嫌そうに言う。


「私に酒は飲ませないんじゃなかったの?」

「おまえ、酒を飲んだら眠くなるんだろう? こいつを飲んで、さっさと寝ろ」


 ユイは眉間にしわを寄せ、プイッと顔を背けた。


「いらない」


 相変わらずいう事を聞かないユイに少し苛つく。
 説得など時間の無駄だ。
 なにしろその間、自分の理性が持たない。
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