雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「いつか、しよう」(2)

 ロイドは身体を起こして座り、大きく伸びをした。


「あ、そうだ」


 ふと騒動のせいで、昨日のノルマを果たしていない事に気付いた。

 振り返るとユイはキョトンとした表情で、身体を起こしかけたまま止まっていた。


「昨日のノルマが、まだだった」


 そう言って押し倒すと、ユイはロイドの両肩に手をついて抵抗する。


「ちょっとーっ! 何なのよ、唐突に! キスなら、無理矢理酒を飲ませた時にしたでしょ?」

「あれはキスじゃない。口移しだ」


 一緒にされては困る。それに”思う存分”はしていない。

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