雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 言ったと同時にロイドは、ユイの腰に左腕を回し、強引に引き寄せた。
 自分の胸に倒れ込んできたユイは、逃れようと両手を突っ張りながらロイドを睨む。


「ちょっと! 何?」


 予想通り抵抗するユイを、ロイドはさらにきつく抱き寄せた。


「やはり、ちょうどいいな」


 ほんの少し顔を近づければ事足りる。
 背の高さはちょうどいい。

 密着した身体から伝わる、ユイの鼓動が次第に早くなる。


「……やっ……!」


 照れくさくなったのか、小さく声を上げて、ユイが真っ赤になった顔を背けようとした。
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