元恋人の甘い痛み【完】


「…っ……何…するのよ」

「襲われると思ったか?」

「……こんな事するなんて信じられない」

「失った信用は簡単に取り戻せない事は承知している」

「……何が言いたいのよ」

「だが、取り戻せない訳では無い。時間を掛けてでも、取り戻すまでだ」


雷牙は真っ直ぐ私を見つめれば、手の甲でさらりと頬を撫でてから漸く身を離した。


何を言ってるの?私の貴方に対する信用を取り戻すって事を言いたいの?


そんなの不可能よ。


貴方に刻まれた傷は凄く深いし、一生忘れる事が出来ないと思う。


だから無理よ。


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