元恋人の甘い痛み【完】
雷牙の行動に不満を抱くものの、胸に突っ掛かる違和感さえも覚える。


ただの嫉妬にしてはどこか違う感じがしなくもないし…何かあったのだろうか?


「雷牙?何かあったの?」

「何もない」

「何もない様には見えないけれど。何か隠してない?」

「ああ、隠してない」

「嘘よ、隠してるわ」

「隠す必要が何処にある」

「それは……分からない」


雷牙は鼻で笑うと、私の身体を漸く解放すれば大きな手で頭をぽんぽんと撫でた。
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