元恋人の甘い痛み【完】
「今日は会食が長引きそうでな。直帰するな」

「ええ、分かった」

「寄り道して遅くなるなよ」

「子供扱いしないで」

「はは、そうだな」


雷牙は鞄を手に秘書室を後にした。


私も仕事を終えたら帰宅しよう。


ここ最近色々あってか疲れが溜まってるみたいで、寝ても寝ても足りない。


それに一つ気になる事もあって、神経を尖らせているからかしら。


その原因となるのが、帰宅の時、常に誰かに見られている気がしてならない。
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