元恋人の甘い痛み【完】

「なんだかよくわからないけど、今急に雷牙の事が愛おしく思えたわ」

「いい金づるが出来たからか?」

「クスクス、そうかもしれない」

「どうせやるなら…」

「…え」


腕をぐっと掴まれたかと思うと唇を奪われた。


優しくて甘いキス。


私が大切だと言わんばかりのキス。


とっても心が満たされた。


「続きはホテルでな」

「ホテル!?続きなんていらないわよ!」

「俺がいる」

「私はいらない」

「残念だな。運転するのは俺だ」

「それじゃ私が……って駄目だわ。左ハンドルは運転した事ない」

「フッ、諦めろ」

「信じられない」


いい男だと見直したばかりなのに、結局は下心じゃない。


雷牙の馬鹿。
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