元恋人の甘い痛み【完】

「昔では決して与えられなかった安心感。今はこうして心底与えて貰ってる」

「…優里」

「これ以上ない幸せだわ」

「ならもっと幸せになるか」

「どういう意味……きゃっ」


雷牙はそのまま私の身を背後へと押し倒し、覆い被さる。


今まで味わった事のない愛しい感情に満たされる中、見下ろす雷牙の頬に手を伸ばし触れた。


「…優里、愛してる」

「…私も愛してるわ」


優しく唇が重なった時、胸がいっぱいで一粒の涙が零れた。


雷牙…沢山貴方を感じさせて。


何度だって構わない。


貴方の全てで私に伝えて。


私も私の全てで貴方に伝えるわ。


世界で一番愛してると。
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