As Time Goes By ~僕等のかえりみち~






油断をしていた私に。





「……どうしたの?こんなところで。」




最も警戒すべき、インテリ系危険人物が……




目の前に!!




「おはよう。…この前はあの後…、中道には会えた?」




「…………!」




眼鏡の奥が……


怖い。




そうか。あの時三井くんに会ったって……中道が言ってたな。





「…会ったけど、それが何か?」




「ううん。ただの確認だよ。やだなあ、そんなに警戒しないでよ。」




「……。そうもいかないでしょ?あんた、私に……何しようとした?」




「……挨拶がわりじゃん、あんなの。」




「…………!」




「怒った顔も、かわいいね。」





怒りで……


手が震えた。



ううん、本当は……、



やっぱりまだ怖いから。





この人が何を考えているのかが……、



わからない。






「上原、ちょっと英語教えて。」




横からひょいっと中道が現れて……



私をその場からつれ出す。





三井くんは……、



ニコニコと仮面の笑顔をつけたまま、アッサリとそれを許した。







「中道…、あの……。」




「…………。」



「中道ってば。」




「…………。」




「…何で無視するの?」




「……うるせーな。今次の英単語のテストで頭いっぱいなんだよ。」




そう言って、握っているその手に……



ギュッと力がこもった。







「まあ、まず座れや。」



何故か中道の席に座らせられた私は……




「………はい、んじゃあ英単語のテスト。」



「……はあ?」



「第一問。…doubt。」



「………?疑う?」



「第2問。envy。」




……。



「……嫉妬?」





「「……………。」」




「第3問。…caution。」



「……警戒……?」





「……さすが、全問正解。」




なにそれ…。



「……natural worrier?(心配性?)」




「NO!!」





朝から……


何のやりとりよ。




でも……


心配してくれた。



……助けてくれた。




知らんぷりは……できなかったんだね。
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