As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
私達が外に出ると…、そこには既に、結を見送りにきた友達で…賑わっていた。
真っ先に抱き合ったのは……律。
私の次に、律とは長い付き合いだから……。言葉はなくとも、気持ちは伝わっているようだった。
それから……、能戸くん、サチちゃん。
私は能戸くんにそっと…耳打ちする。
「告白しなかったの?」
「しよーとおもったら、先にお友達宣言されたんだよ。もう何も言わせてもらえんかった。」
「あらら…、ご愁傷様……。」
彼は結の恋愛対象にはならなかったのか…?
サチちゃんに続いて、ハグしようとしたところ……
気の毒なことに…、アッサリとかわされていた。
そして……。
「…いってらっしゃい。」
「……。行ってきます。」
何故にやって来たのか……
三井くん。
同じクラスだったとはいえ……
どんな繋がりが?!
けれど二人は無言のまま、お互いに…頷き合う。
「…………?」
結の目に……涙…?
「ちょっ…、泣かせないでよ。折角堪えてるんだから!」
ついつい間に入ると……、
「うるさい、柚!」
……と、結によって一刀両断!
三井くんめ……!結に何を吹き込んだんだーッ?!
「……ごめん。悪気はないよ。」
けれど…何でか穏やかに微笑む三井くんを見て。
少しだけ……
ホッとした。
きっと私の知らない所で……
二人の間に、なにかがあって。
目には見えない絆のようなものが…あるのかもしれない。
「……これは…気をきかせるところ?」
律にひそひそ話をすると……
「「そういうんじゃないから!」」
聞こえていたらしい結と三井くんの両者が…声を揃えて突っ込んだ。
ショックの色を隠せない能戸くんに…、
唖然とする私達。
全く…一体どうなっているのやら?