As Time Goes By ~僕等のかえりみち~







私達が外に出ると…、そこには既に、結を見送りにきた友達で…賑わっていた。



真っ先に抱き合ったのは……律。



私の次に、律とは長い付き合いだから……。言葉はなくとも、気持ちは伝わっているようだった。


それから……、能戸くん、サチちゃん。




私は能戸くんにそっと…耳打ちする。




「告白しなかったの?」



「しよーとおもったら、先にお友達宣言されたんだよ。もう何も言わせてもらえんかった。」



「あらら…、ご愁傷様……。」




彼は結の恋愛対象にはならなかったのか…?



サチちゃんに続いて、ハグしようとしたところ……



気の毒なことに…、アッサリとかわされていた。





そして……。








「…いってらっしゃい。」



「……。行ってきます。」





何故にやって来たのか……




三井くん。





同じクラスだったとはいえ……



どんな繋がりが?!




けれど二人は無言のまま、お互いに…頷き合う。





「…………?」



結の目に……涙…?






「ちょっ…、泣かせないでよ。折角堪えてるんだから!」



ついつい間に入ると……、



「うるさい、柚!」



……と、結によって一刀両断!




三井くんめ……!結に何を吹き込んだんだーッ?!



「……ごめん。悪気はないよ。」

けれど…何でか穏やかに微笑む三井くんを見て。




少しだけ……



ホッとした。




きっと私の知らない所で……



二人の間に、なにかがあって。


目には見えない絆のようなものが…あるのかもしれない。






「……これは…気をきかせるところ?」


律にひそひそ話をすると……




「「そういうんじゃないから!」」



聞こえていたらしい結と三井くんの両者が…声を揃えて突っ込んだ。



ショックの色を隠せない能戸くんに…、


唖然とする私達。




全く…一体どうなっているのやら?







< 616 / 739 >

この作品をシェア

pagetop