As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「……ところで…上原。」
「…ん?」
「お前、何で今ここにいんの?」
「今更……そこ?」
今更でも何でも……
聞きたい。
君のことなら、どんなことでも。
「…明日りっちゃんの披露宴で……。有給休暇とって帰ってきた。」
「え。りっちゃん結婚すんの?」
「ひどいんだよ、それが。招待状届くまで…彼氏いることすら知らなかったんだから!」
「すげーりっちゃんらしー……。」
だからそんなに大荷物なのか…。
「それで、時間あったから、学校に寄って……。陸上部員と一緒に走ってきた。」
だから……、可愛い髪型してる割には、乱れてるんだ?
「……あれ?そういやりっちゃんから連絡……。…………げ。来てた。ごめん、中道。また後で連絡する!」
突然、踵を返す君の手を……
俺はしっかりと掴んだ。
「まて、番号……!知らないだろ……。」
「え?ああ…、そっか。」
さっきまで泣いていた狸が……
すっかり安心しきった顔してる。
天然なのか……?
どれだけ単純なんだ…?
こっちはまだ……
「また」っていう言葉が怖いというのに……。
次があるのか、と……
心の中で…そう疑ってしまう。
「じゃー約束しよ!」
「……え。」
約束……?
「明日の朝イチに……あの分かれ道で会おう。」
「……………。」
「…やり直せるよね。」
「…え?」
「やり直せるんだよね、私達…。」
また、泣きそうな顔して笑う………君がいた。
「当たり前だ!」
「……うん。じゃあ信じる。信じて…待つ。アンタは絶対約束を守るから……。」
「……それは…お前も。」
「…じゃあ…、相手が来るまで待とう。…あ、でも……。昼には出かけるから早朝限定ね。どっちが早いかなあ…。」
「…俺だろ。」
「や。私だな。」
その勝負師な所も……
変わってないんだな。