【完】君に出逢えて
「…もう、戻れない。」



「…じゃ、最後に、話さねぇ?」


「…」


しばらく顔を歪ませたあと、萌愛はこくんと小さくうなずいた。


「よっしゃ、屋上行くぞ」


「…うん」


萌愛と2人で真剣な話をしたのは、いつだったっけな…



依麻が東京から戻ってきた翌日、俺は何度も何度も萌愛に頭を下げたとき、だったと思う。




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