【短編】あの日見た夢は、今。
いや、走り出した。
――意味分からん!意味分からん!意味分からん!意味分からん!!
顔を真っ赤に染めながら、あたしはひたすら心の中でそう言い続けていた。その理由や否や、あの台詞が原因である。
“ぺったんこ”。
胸の小ささはあたしのコンプレックスであるがゆえに、弱いところ。突っ込まれると返せない、ダメージが大きいところでもあるのだ。
重い重い女子のこの悩みを、彼は突っ込みまくって笑い飛ばしたのであるが――……
「なんで初対面の意味分からんチンチクリンに“ぺったんこ”なんて言われなくちゃいけないわけ!?」
相当、ムカついているわけで。