*君の全てを愛してる*

+Memory

しばらくして仲谷さんが戻ってきた。



「公望、お前が本当に会いたいと言うなら俺は止めない」



「俺は本気ですっ!」



二人とも眼を逸らさず睨み合うかの様。



「分かった」
「この紙にお前の母親の住所が書いてある」



「・・・」



春瀬君は無言でそのメモ用紙を見つめる。



「明日翔ちゃん、公望をよろしくな」



「あ、はい・・・!」



仲谷さんが私に笑顔を向けた。

優しい向日葵の様だった。




「仲谷さん、色々ありがとうございました!」


春瀬君がメモ用紙から顔離して言った。



「何言ってんだ」
「そんな台詞、もっと俺を安心させるくらいデカくなってから言え!」



と、言う仲谷さんの顔は嬉しそうだった。




「・・・はい!」





春瀬君の顔はこっちを向いていなかったけど、

声は微かに震えていた。






きっと、春瀬君も嬉しかった。
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