【完】プリンセス
「何、覗き見してるんですか?」
愛未と顔を合わせ、一緒に振り返った後には、陽呂。
《うわぁぁぁ!》
《うえぇぇぇ!》
「もぉ、バレてるんで小声じゃなくてもいいんじゃないですか?」
う……ですね?
呆れて笑われ……納得する私達。
「それにしても……色気のない叫びでしたね?」
笑いを堪える陽呂を睨んだ。
「酷いっ陽呂君!」
怒る愛未。
「すみません、すみません」
「絶対バカにしてるでしょ? 陽呂君。
でも、本当にモテるわよねぇー」
愛未に言われ、クスクス笑いながら首を横に振る陽呂。
「そんな事ないですよ?」
「は?! あんなに告白されて???」
嫌味な奴。
絶対、愛未も思ってるハズ。
告白されてるのに、モテてないって言う陽呂は、誰がどう聞いても嫌味にしか聞こえないと思う。
それをサラッと言うあたりが、また嫌味に拍車をかけてる気がする。
「俺の中身見て、告白してくる人なんて居ませんからね」
切ない表情で、答える陽呂に聞き返した。
「どう言う意味よ?」
「俺の中身知ったら、告白なんてしないって事ですよ」
???
中身???
何が言いたいの?