【完】プリンセス

渋々、生徒会を後にする生徒と逆に、生徒会長……壱のところへ行く私。


「壱、あの……私」


全て解ってたかの様な表情の壱は、私を生徒会長室に入れた。

少し驚いて呼ぶ愛未の声にも振り返らず、部屋に入った。





生徒会長室の豪華な椅子に、座った壱を見つめて頭を下げる。


「ごめんなさいっ!あの用紙……私が言われてたのに」


そう、あの文化祭に必要な用紙。

提出し直しのクラスに、生徒会長室から取り出して配る様に頼まれた。

全く忘れてたんだ。


「いや……俺も、用事があるからって心ちゃん任せにしたしね?」

「でもっ!私……副会長だし。それ位、ちゃんとしなきゃ……」


仕事をちゃんと出来なかった私が悪い。



< 62 / 392 >

この作品をシェア

pagetop