だから、もう逃がさない。




「志乃、顔怖いけど。」

「ウルサイ。元がこういう顔なんです」



呆れたように私の席の前にお弁当を置いて苦笑いするのは、

親友の美奈子だ。



「けどさー、あの子ら懲りないよねぇ。被害受けたってお前らにも火がないわけじゃないだろって話」

確かに、美奈子の言ってることは正論なんだけど………


はっきり言うね。気持ちいいくらいに。


「女子高だし、しょうがないんじゃない?」

「なら共学にすればよかったのに」

なんでわざわざココ選んだのか、分からん、付け足して毒を吐く美奈子もいつものことだ。


それもそうか。

共学にすれば、ココよりは圧倒的に恋愛は充実するだろうし、男に飢える人もいない。

この学校の出会いの場と言ったら、姉妹校の男子校しかないのだから。


あの、チャラチャラしたり無茶苦茶にやったりする高校の男子しか、いない……。




< 3 / 32 >

この作品をシェア

pagetop