世界をあげる


「…俺さ……ゲイなんだ。」


一度黙ったあと、澪さんは口を開いた。

「男の人が好きなの?泉くんは。」

「…うん。」

「ふーん。それ秘密でもなんでもないよね。」

「え、」


「男だろーが女だろーが人を愛せるってことは素敵なことよ。」


「…。」

「もっと胸張って生きればいいのよ。泉くんは、人を愛せる立派な人間なんだから。」

「…澪さん、今の小説家っぽかった。」

「ほんと!?」

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