100%の愛で〔SS〕


「千景さん、先程から何か?」



頭が切れて勘の良い直己が聞いてきた。



「ココは…伯父の病院や」



「誰かの御見舞いでしょうか?」



「ちゃう…一度おうた事あんねん…ココの患者や」



常ちゃん…何でおうたん…。
もう、知ってんのやろ?



ここが












「心臓が弱い人が最後の…藁にもすがる思いで来る場所や」



「えっ?」



「じゃぁ、あの娘…」



「仮説やし、見舞いかも知れん」



伯父は名医だ。

イザとなったら…。



トキちゃんが、あの円城寺常葉が初めて本気に恋をしてるんや…神さん、見放さんといて…な?











「あっ、今度は蹴られた!!」



「逃げましたね」



えらい扱いされてんのに…そんな顔で笑うなや常ちゃん。



「あっ!!」



「どない「バレた!!」



ナニッ!?



コッチに走ってくる常葉の顔が鬼の形相の如く恐かったのを俺達は覚えてる。













「なぁ…常葉?」



「何だ?」



聞かなきゃいけないんか?











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