君に夢中で恋してる*
「“用事がある”っていうのは、男子たちに対する建前で、本音は…星愛のことが心配だったのよ。」
「えっ…」
「睦月先生が“頼みたいことがある”って話をしてたの、聞いてたんじゃないかな?あの先生、結構大きな声で話してたし。」
確かに、声は…大きかった。
教室中に響きわたるぐらいだったもんね…。
日向君の耳に入っていても不思議じゃないかも…。
「睦月先生って、大量の資料運びとか、授業で使うプリントの準備を、生徒に手伝わせたりすること多いでしょ?だから、星愛が無理な頼みごとされてないか気になったんだと思う。」
「…………。」
「星愛と一緒に教室に戻って来た日向君、とても嬉しそうな顔してたじゃん…。あの笑顔といい、心配して手伝ってくれる優しさといい、星愛に対する“好き”が滲み出てたよ…!」
カアッと熱を帯びる頬。
急激に速くなる鼓動に驚いていると、美波は優しく笑った。
「だから、自信持って告白しなよ…!ねっ!」
背中を押してくれる美波の言葉に、目頭が熱くなるのを感じた。