ドライヴ〜密室の教習車〜
「人は皆、表には出せない裏の心理を秘めている。与田さんだけが特別だったわけじゃない。それと上手く付き合えることが、大人ってヤツだ。だが、彼女はまだ幼すぎた。自分の中の冷酷さを認められないうちに、自分でも理解出来ないまま、先に《罪》へと向かってしまったんだろう」

「……与田さんは、篠さんが言った《方法》に気づいたでしょうか」

「どうだろうな」


「私は、多少時間はかかっても、気づくことが出来ると思います」


 私は、与田さんの最後の《表情》を思い出していた。

 あの目を細める様子は、まるで視線を自分の中のいろいろな自分に合わせているようだった。


「法で罰せられない罪は、自分で罰することが出来る。それに気づけば、彼女は変われるんだ」
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