カタチのないセカイの為に
それを、観ていた優潤も、自分の母の前で、真顔で、
「楽しかったです。」
と言っていた。

理子は母に、
「りぃちゃんは? 楽しかった?」
と聞かれたが…。困惑した。

確かに楽しかった。でも、


『楽しい』という感情が
イマイチ解らなかった理子は、

「沢山、お山を作ったの。
また、作りたい!!」
思った事を言った。

理子の母は微笑して、
「うんうん。楽しかったのね。
良かったわ。」
と言った。

理子はこの時、初めて『楽しい』と言う
言葉の意味が解った気がした。

この気持ちが『楽しい』って言うんだ。と
自分なりに、理解をした。





(カフェ)
優潤は、どうしても諦められない気持ちを、
理子に託そうとする。
「なぁ。理子。お願いだよぅ。
江藤さんの夏の予定。教えてくれよ。」


理子は、悩んだ。
確かに、優潤にとっても、
『みさちゃん』は特別な存在だ。


でも…。

近づけたくない。

でも……。
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