カタチのないセカイの為に
※第七章※ リピートノ サキ
「恐いよぅ。」


優潤の質問とは、無関係の応え。




「恐いよぅ。恐いよぅ。」



ただ『恐い』という思いを伝えていた。



『今行くから、大丈夫だから。』


優潤の言葉。
『大丈夫だから。』

顔が見えてないのに、安心感を与えてくれる。





眼からは、流れる涙が止まらない。



『そこに、何がある?』


美咲は、石積みに寄り掛かるように座り込んで

「石 積み、 下…に 。」 

言葉にならない声を、必死で出す。



美咲が、応えてから直ぐだった。

「美咲!!」

電話の受話器越しの声と
美咲の頭の上の 両方から、
同時に優潤の声が聞こえた。



「美咲!!」


美咲は、声のする真上を見上げた。




優潤がいる。


美咲は、下ろしていた腰を上げて、
立ち上がった。

石積みの上に、優潤がしゃがんでいる。

「美咲!!大丈夫?」

美咲の瞳から涙が次々と溢れ出てくる。


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