カタチのないセカイの為に
健吾は額に手を当てた。

「考えてみろよ。
お前が、もし美咲と別れたとして…」

健吾の言葉を遮るように
優潤が、眼を見開いて口を挟む。

「別れない!!」



「もし、だよ。 もし!!」

健吾が、説得するように、
『もし』を強調した。


「もし、美咲と別れた時に、
美咲が『付き合わなければ良かった。』
なんて言ってたら、どうする?
お前、嫌だろ。」



優潤は、即答した。

「ヤダ。ってか、
別れんのヤダ!!」




「じゃ、時間、戻って欲しいって言うなよ。
お前の事好きだった奴が、怒るぞ。」




優潤は、暗い笑顔で応えた。

「そうだな。」



優潤は、
健吾が言った事を、
意味を考えた。








「てか、女組みは、まだか?
プリクラ取る為に、何分かけてんだ?」

そう言いながら、
健吾は階段の方へ歩いていった。


「おーい。まだかーい!」

家中に広がる声。


「今、行きまぁーす!」

理子の声が返って来る。



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