カタチのないセカイの為に
理子は、思考回路停止していた。
女の数菜さんは、実は男で…。
再婚した相手が、実は、同じ学校の人で…。

あら?本当のお父さんもパパの事を知っているって事?
確か、本当のお父さんって、小さい時に亡くなったとか…。

うーん。家庭環境が複雑……だわ。
理子は、眉間に親指を当てた。

『意外な恐怖』は、『複雑な家庭環境』から生まれた物だとしたら…。
『優潤に謝りな。』なんて、軽々しく言えない現状がそこには在った。

『私が言えることは無い』と感じた。
家庭の事は、何も言えない…。




優潤と健吾は、理子の家の応接間にいた。

優潤はソファに座って、俯いていた。
「俺、何で腕を掴んだのか解らないんだ。
言う事があった訳じゃないし…。
本当は凄く焦ってるたのかなぁ。」

健吾は、ソファで寝そべって本を読んでいた。

「焦ったな。」

「…。どうしょう…」
「仕方ないだろ、」


優潤が、やっと顔を上げたが、顔色は青かった。
「仕方ないって、確かにもぅ仕方ないけど…。他にアドバイスみたいなのない?」

「今のところないな。
美咲が怒って帰って来たら、
またゼロからはじまりだな。」




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