いじわるな君に恋をする



はぁ…はぁ…と息をしながら百合を探す



百合っ、どこ行ったの?




しばらく走って行った所にある、人通りの少ない道のガードレールに座っている百合を見つけた



「百合っ」


「か、のん?」



駆け寄って見た百合の頬には、涙がつたっていた



「あたし……あたし、怖いよ…」



百合が震えた涙声で話す




「あの子に…立木さんの所に、凌が行っちゃうんじゃないかってっ…すごく怖いよ…」



百合の背中を擦る



「そんなことないよ。百合だって凌くんとずっと一緒にいたじゃん」


「だって!…だって、あたし……凌が空を見るのが好きだなんて、知らなかったっ……ずっと一緒にいたのにっ…」



百合の涙が、更に溢れだした




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