天使の歌声
出会い
「おい、なにしてる?」

(誰だよ?)

そう思いながら、振り向くと

背の高い男が突っ立ていた。


(でけぇ~な?先公か?)

「お前、誰?」

(それはこっちの台詞だってんだ!!と、
 そんなことは、女の子が言ってはいけませ~ん♪)

『・・・・王寺 愛歌』

(ここは素直に言うが勝ち。
 まぁ、偽名もあったんだけどね?)

なんて意味わかんないことを考えていると、

「おうじ・・・。お前、男なのか?」

(うおぉい!!?コイツ真顔でなに
 言っちゃってんの!?
 頭、どっかに打っちゃったんじゃねぇの!?)

『・・・それ、名前だから。苗字ね?
 王子じゃないよ?王寺だからな?』

あたしは、説明してあげていた。

「おうじ・・・」

(コイツ、以上だ・・・。なんか紙ないか?
 書いてやろうじゃねぇか・・・。)

キョロキョロッとあたりを見渡すと、

数学の先公の鬼崎・・・じゃなくて、

尾木崎がいた。

因みに、尾木崎のあだ名は「鬼崎」と
「叔父崎」だから。


パラッ


鬼崎の抱えていたプリントから、なにやら

白い物体が落ちた。


ズザァァ‐‐‐。


あたしはスライディングをしながら、その白い

物体をキャッチした。

(よっしゃっ!!)

「何やってんの?」

『お前に教えてやろうと思ってな?』

「俺、スライディング出来るし・・・。」

(そこぉぉぉ~?そこですかい?
 いやいや、やっぱりコイツ、頭の螺子
 どっか取れてるよ!!?)

「取れてねぇよ!!」

『お前は、エスパー伊藤か!!?』

「ちげぇーよッ!!!」

 


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