奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
「見えんの?」



この状況で普通に話し掛けてきたよ……。


しかも言ってる事が意味不明……。



「なぁ」



突如目の前に男の顔が現れ、私は体を起こし急いで後退った。



「ちちち近いッッ!!よっ寄らないでッッ!!」



私の反応に驚いた顔をする男。


私は直ぐに視線を反らし目線を下に向けた。


こんなに近くに雄がッッ。


吐きそう……。



「やっぱあんたには見えてんだ」

「さっきから何なの!?用がないならさっさとどっかに行ってよねっ」

「退屈な時間からやっと解放される。俺はあんたから離れるつもりはない」



こいつ……危ない奴かもしれない。


雄に触れたくはないが、ここは一発ぶん殴って逃げるしかないかもしれない。


意を決して私は握りこぶしを男の顔めがけて振り上げた。


ッッ!?



「す、すすすり抜け、た……!?」

「残念、俺幽霊だからそんなの当たんねぇよ」



ニヤッと笑った雄の顔を見て私の思考は停止した。


史上最強の厄日だ……。


そして私は本日2度目の失神を迎えた。






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