『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「久しぶりねぇ和樹君♪」

電話と家のチャイムを鳴らしたのは
優さんのお母さんだった。


「お久しぶりです。すみません
直ぐに出迎えなくって・・・・」


「いいのよ〜!
主夫も色々と大変でしょ?」

ニコニコしながら
大きなキャリーバックを
片手に引いて立っている中年女性。



「その荷物・・・・・
フランスから
戻られたばかりですか?」


「ええ!
ごめんなさいね〜突然!」


「いえいえ、荷物、持ちますね。
上がって下さい。」


俺は優さんのお母さんの荷物をもち
家へ招き入れた。



リビングへ優さんのお母さんを
案内して、ソファーに座って貰う。


「なかなか良いお家じゃない。」


「ありがとうございます
瑠美さん。」


俺は優さんのお母さんを
瑠美(ルミ)さんと呼ぶ。


初めて会った日に、瑠美さんに
そう呼んでと言われたらから。



瑠美さんはフランスに住んでいる。
向こうで結構有名な
デザイナーなのだ。

さすが優さんの母親。


ちなみに、旦那さんはいない。

優さんが幼い時に離婚して
女手一つで優さんを育てたらしい。



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