『主夫』だって『恋』してますけど何か?


しばらくして優がまた
リビングに入ってきた。



肩もみは優がヤキモキ
焼くからおしまい♪



和樹は優の晩御飯を
テーブルに並べる。


マリンと私はケーキを楽しむ。


カイトにはちょっとだけ。



あぁ幸せ♪



本人達は気付いてないけど
結構ちゃんと幸せな家族してる高松家。



同じ空間にいるだけで
独り身の私には暖かい。




「カイト、クリームついてる。」


優がカイトの口についた
クリームを指で拭って舐める。



「ふっ・・・くっくっ・・・
キャハハハ!!!」

突然笑い出した私。


「どうしたのよ茜・・・」

優は驚いている。



だって!だってさぁ!



和樹ったらカイトにまで
ヤキモキ妬いてやんの!



自分の息子だよ!?



優がカイトの口についた
クリーム食べたの見ただけで
唖然とした顔して
拳を握りしめていた。



どんだけ〜!!



一応夫婦のはずなのに、
優と和樹は初々しい
中学生カップルみたいだ。


しかも優にいたっては
和樹を好きだと自覚していない。


なにやら”好き”が
いまいち解らないらしい。


和樹は優の中で、主夫という
カテゴリーから抜け出せないでいる。


それで一緒にずっと
暮らしてるんだから面白い。



こんな夫婦中々いないと
思いませんか?



あぁ楽しい♪




「さぁそろそろ帰ろうかな♪」



楽しみは後にとっとかないと!



「もう帰るんですか?」

和樹が意外だなって顔をした。


「だってこれ以上いたら怒った優に
明日から仕事増やされそうだし!」



ついからかっちゃうからね。



「・・・・怒らなくても増やすわよ。
私が2日かかる仕事1日で
終わらせる力あんたにはあるんだから。」

優がぼやく。



社長の小言は聞かなかった事にしよう。



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