『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「ママ〜マリン、今日どこかに
お出かけしたい♪」

朝ごはんを食べながら
マリンが言った。


マリン、ナイスだ!
パパもそろそろ
言おうと思ってたよ♪



「・・・・・・・ごめん、今日ママ
また仕事行かなきゃいけない。」

優さんが、向かい側に座る
マリンに謝る。


「え〜!!
ママとお出かけしたいのに!」

マリンは顔を膨らませた。



俺も膨らませたいよ!

だって優さん、その格好は
絶対仕事じゃないでしょ!?



今日の優さんは、カラフルな
花柄の派手な赤のワンピースに
落ち着いた紺色のカーディガンを
羽織り、着る人が着たら
絶対似合わない格好を
オシャレに着こなしている。



ただ、明らかに仕事に行く
格好ではない。



まさか・・・・・デート?


脳裏に不安が過ぎる。






「ママ〜じゃぁね、マリンの
うんどうかいは来てくれる?」

少し遠慮がちに
マリンは優さんに尋ねた。


あぁそうだった、来月は
マリンの幼稚園で運動会だ・・・


「運動会?いつあるの?」

優さんが俺に聞く。


「すみません
伝えるの忘れてました。
来月の三週目の土曜日です。
雨が降ったら次の日に・・・」


「そう・・・・・。
マリン、ママその頃仕事忙しいの。
だから、まだ解らないけど
なるだけ行ける様にするから。」

優さんはマリンに微笑む。


「やくそくだよ〜!」

マリンは小さな小指を
優さんに向けて笑った。



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