薄紅の花 ~交錯する思いは花弁となり散って逝く~
結斗の生まれた家櫻澤家は、代々妖を葬る家系だ。
少女の家系藤岡家もまた同じような家系なのだ。
しかし櫻澤家と藤岡家では妖に対する考え方が違った。
藤岡家は人間と妖が共存しなければ日本が成り立たない。だから妖を葬ろうとするのは無謀なことだ。人間と妖が均衡を保てるよう負の感情で誤ってしまったあやかしを浄化し、人間、あやかしがともに平穏無事に過ごせるようにしよう。そんな思いが形となったのが藤岡家。
実に綺麗ごとを並べる人間らしい考えだ。
逆に櫻澤家は昔本当に妖の多発に人間が困り果てた頃に誕生した家で、妖を葬る。それだけのために自分たちは存在し、陰の気を爆発させたあやかしはこの世から滅するべきだ。そんな考えを存在理由としているのが櫻澤家である。
これもまた実に人間らしい考え方だ。
自分たちの邪魔となるものは適当に理由をつけ、排除すればいい。
そう考えた人間達の手によって実力がある術師を探し出したことが始まりの家。