薄紅の花 ~交錯する思いは花弁となり散って逝く~
優しすぎるものは人でなくても殺めることはできない。だから祖父は優しき心を持つものに興味がなかった。例えそれが自分の息子でも。孫でも。
それは家を守る当主の誇り故。
彼はそのことを小さな時から感じ取っていた。
だから彼は両親の手ではなく祖父の手を取り、心を育てていった。それは人間らしい心ではなく。化け物の心。
それが今の彼。
彼は日常を生きるために必要なものに気付く。それが欺瞞と嘘に満ちた優しさ。
彼の中には本当の優しさは1つもない。