いちごチョコ






「俺と、結婚してください」




「え…?」






いきなり聞こえたその言葉に
腑抜けた声をだしたまなえを
そうまくんは笑った。





「最後やで。
俺と結婚してください。」





「・・・はい」





予想もしてなかった
プロポーズに驚きすぎて
こんな返事しかできひん。



びっくりして涙も止まったし……






「手ぇ、出して」



「・・・ん」





落ち着いてるようにみえて
内心パニックな自分。
そうまくんの言葉を理解するのに
いちいち時間かかった。



「へ…なに、これ…」



「思い出の。いちごチョコ」



「ふふ、懐かしい…」




確か告白された日も
そうまくんがこれくれたなぁ…





「もう一回。手だして。」



「ん?」




「普通これをはめてから
プロポーズやんな。
俺順番間違えたやん」





「う…う、ううん
あぁぁ、そうまくんありがとぉ…」






薬指につけられた
綺麗な指輪をみて
実感がわいたからか
また涙がとまらんかった。





そうまくんの話って
このことやったん?


結婚考えてくれてたん?


こんなまなえでよかったん?




いっぱい言いたいことも
聞きたいこともあるのに
声がでーへんかった。





「まなえもお腹の子も、
ちゃんと幸せにするから。」



「うん…う…」




「もう泣かんでいいって!
ほら、みんなみてるから!」





そんなこと言われても…




ここが学校で
凄い人前ってことも忘れて
いちごチョコを握りしめたまま
そのあとも泣き続けた。






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