プラチナ・ラブ

花音は不安そうな目で俺を見た。


「何言ってんだよ。
いいに決まってんだろ」

「……あたし、この前あの人に言われたの。
あたしが大翔から離れれば……もう大翔に何もしないって」


花音……。


「……絶対離れるつもりなんてないって言ったよ。
でも……やっぱり、大翔が辛い思いするなら……」

「花音」


俺が名前を呼ぶと、花音はゆっくり顔を上げた。


「花音のせいじゃない。
俺はそんなこと一度も思ったことはない」

「大翔……」

「……だから、離れたりすんな」

「っ……………」

「俺には……もうお前しかいないんだから……」

「っ……大翔!!」


花音が俺に抱きついた。

そんな花音の頭を優しく撫でる。


……両親から捨てられた俺にとって……俺のことを愛してくれるのは花音しかいない。

< 125 / 226 >

この作品をシェア

pagetop