プラチナ・ラブ

「……花音が生まれるほんの少し前だって言ってたけど」


……あたしが生まれる、ほんの少し前。


「………………」

「花音………」


……疫病神。


その言葉がグルグルとあたしの頭の中を回る……。


すると、大翔が優しくあたしの手を握った。


「……花音は悪くない。
何にも」

「っ……大翔……」


そうやって言ってくれる大翔は……あたしにとってはもう欠かすことのできない存在。


「中原さんは会いたがってた。
花音はただ一人の姪っ子だからって」


あたしが……ただ一人の姪っ子。

……あたしの叔父さん……。


「……会いたい。
会ってみたい……けど……少し怖い」

「花音……」

「大翔……そばにいてくれる……?」


あたしがそう聞くと、大翔は笑顔で頷いた。


「もちろん」

< 180 / 226 >

この作品をシェア

pagetop